アオキコンゴウインコ、一歩前進!
2014年05月05日(月)
当園のアオキコンゴウインコは10年以上飼育されていますが、これまで繁殖行動も見られず、既存の巣箱に入ることもありませんでした。
昨年の4月から担当になったのですが、その当初は担当者が作業で中に入るだけで落ち着かなくなるような状態でした。そこで、繁殖を見据えてまずは飼育と動物との関係を築くことに心掛けました。
小さな木の切れ端やおもちゃなど見慣れないものに慣らしていく過程で、時にはおやつを使い、時には距離を置きながら担当者は怖くないんだということを教えていきました。その甲斐あってか巣箱を設置するときには、鳥のほうから寄ってきて作業の邪魔になるくらい寛容になってくれていました。
物に対する柔軟性だけではなく精神的にゆとりが持てるようになった為か、2羽の雰囲気が変わり、交尾のような体勢も確認で来るようになりました。当初の目的だった巣箱にも入ってくれるようにもなりました。
その後、メスが巣箱からまったく出てこなくなり、産卵そして抱卵までしている可能性がありました。
抱卵期間が過ぎたころに鳥達の雰囲気が変わりメスが巣箱から出始め、卵が1個巣箱から地面に落ちていました。
今回の卵はうまくいきませんでしたが、1シーズンに何度か卵を産むこともあるので今シーズンにもまだまだ期待しながらも長い目で見ながら繁殖に繋げていきたいと思います。
動物園飼育第一係 渡辺 敬一