違いを知る
2014年01月13日(月)
あけましておめでとうございます。
本年も東山動物園をよろしくお願いいたします。
今年は午年ですが、私にとって馬と言うと、名古屋市に就職したときの最初の仕事が地方競馬でした。
各レースごとに出走する馬が間違いないかを調べるのですが、そこで初めに勉強したのが馬の個体識別のための体の特徴を覚えることでした。
指標は三つあり、まず一つが毛の色です。鹿毛(かげ)、青毛(あおげ)、栗毛(くりげ)、芦毛(あしげ)など。青鹿毛というのもありましたが、新人の私にはその違いは難しかったです。
次に顔と脚の白斑です。額の白斑が独立している場合は星、鼻梁につながっていくと流星。カッコいいですね。例えば額から鼻にかけて白いと「流星鼻梁鼻白」と、また大きさで鼻大白とか鼻小白と表現されました。脚の白斑は右前白とか左後半白など。
三つ目は旋毛でつむじのことです。これがまた普段見ない漢字ばかりでした。額にあるのが珠目(しゅもく)、のどの少し下が波分(なみわけ)で、馬が泳ぐとちょうど水面あたりになり、波を分ける位置。口の横は轡搦(くつわがらみ)で、轡があたる位置。後肢にあるのが沙流上(さるのぼり)。他にも華粧、鐙端、骨正、芭蕉などがあり、とてもしゃれた感じがして好きでした。読めます?
同じ種類の動物が複数いる場合は、まず個体を知ることが必要ですが、それには違いを知ることから始まります。
シマウマも一見すると同じような縞模様に見えますが、ようく見ると個体によって縞が違います。一度じっくり見比べてみてください。
動物園長 橋川 央