温室で『根回し』実施中!
2013年03月10日(日)
国の重要文化財に指定されている温室(前館)は、工事準備のため、2月15日(金)から閉鎖していますが、現在、室内では『根回し』を行っています。
根回しとは、移植する前の準備として行うもので、広がっている太い根を根元の近くで切り、新しい根を生えさせることです。
根回し作業の手順は次のとおりです。
?@枝を切ります(根回しで根を切るため、枝も切って蒸散量のバランスをとります)
?A土を掘りながら根の位置や生え方を確認します
?B何本かの太い根を残し、他の根を切っていきます
?C残した太い根の外側の皮をめくります
◆これを環状剥皮(かんじょうはくひ)と言います。
※太い根の先にある細い根から吸収された水は、根の中心部を通るため、剥皮しても吸い上げられます。一方、光合成で作られた養分は根の外側を通ってくるため、剥皮した箇所で行き場がなくなり、新しい根を出そうとします。
根回し作業は、樹木医さんの指導を受けながら、慎重に行っています。
また、根回しに合わせてフタゴヤシの葉を切ったのですが、フタゴヤシの葉はとても大きく迫力があるので、皆さんに見てもらえるように温室入口に向かう園路に展示しました。
フタゴヤシは、セイシェル諸島原産のヤシで、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧?TB類に指定されている貴重な植物です。葉が枯れてしまうまでの期間限定展示ですので、この機会に是非ご覧いただきたいと思います。
話は変わりますが、温室(後館)では‘土日祝限定’で「温室一周クイズ」を行っています。
植物会館案内所で問題用紙を受け取り、温室内の植物を観察しながら5問のクイズに挑戦してもらいます。
参加していただいた方には、もれなくオリジナルクリアファイルをプレゼントします。受付時間は10:30〜15:00です。
温室へ是非お越しください。
植物園指導園芸係 高取 真也