シモバシラに霜柱ができました
2012年12月16日(日)
ここ数日、寒い日が続いていましたが、植物園にある植物シモバシラにも「霜柱」が見られました。
これは、シモバシラという植物の枯れた茎に氷の結晶ができて、くっついているものです。
土中から茎の中を通って上がった水分が、茎の隙間から外へ出て凍結し、氷の結晶になります。これが霜柱のように見えるため、この植物がシモバシラと名付けられました。
また、このシモバシラには、ケイスケア・ジャポニカ(Keiskea
japonica)という、植物学者の伊藤圭介にちなんだ学名が付けられています。伊藤圭介という人物は、江戸末期から明治時代に活躍した名古屋出身の植物学者です。
東山植物園では、この伊藤圭介の遺品を保管・展示しており、東山植物園にとっては欠かせない植物といえます。
シモバシラは、園内の日本庭園とその近くの園路沿いの2か所に植えられています。
この「霜柱」は、気温が低ければいつでもできるものではありませんが、氷点下になる寒い朝には見られるかもしれません。たとえできたとしても気温が上がってくると溶けてしまうので、観察には午前中の早い時間がお勧めです(9時より開園しています)。
寒い時期にしか見られない、この不思議な現象。
ぜひ、観察にチャレンジしてみてください!
植物園緑地造園係 早川 武宏