「古典の日」と東山植物園
2012年11月01日(木)
このたび、新たに11月1日が「古典の日」として法律によって制定されました。
その目的は、古典は我が国の文化において重要であり、これを広く根づかせ、心豊かな国民生活及び文化的で活力ある社会の実現に寄与する、ということです。
その「古典」の定義ですが、文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能などとともに茶道や華道そして書道などの生活文化も含まれます。
古典と東山植物園という視点で園内を見渡してみました。
まずは万葉集です。
植物園の「万葉の散歩道」は、万葉集に詠まれている樹木や草本を植えて、そこに歌碑や歌の看板を設置しています。百首の歌を鑑賞しながら四季折々の花を楽しんでいただけるようになっていて、「古典文学の散歩道」とも言えるようなものです。
次は俳句です。
江戸時代の俳人横井也有の遺徳をしのんで設けられた日本庭園が、植物園の「也有園」です。
也有ゆかりの植物を植えて、それにちなんだ俳句を五十句展示しています。ここは「古典文学の日本庭園」とも言えるところです。
そして、その「也有園」ですが、市内在住の個人の方から茶室を新築してご寄附いただきました。庭園の真ん中あたりです。今年の春から工事が始められ11月3日には、その完成式典が行われます。伝統的な建築様式でつくられた茶室と、そこで行われる茶事は、日本の伝統文化そのものです。
古典文学などに親しんでいただきながら、秋色に染まっていく景色をお楽しみください。市内で最も交通至便で美しい紅葉が楽しめる東山植物園へぜひお越しください。
植物園長 伊藤 悟