落語の中の動物〜狸〜
2012年03月19日(月)
え〜落語に出てくる動物としましては狸があります。噺の筋で多いのは、人に助けられた狸が何かに化けて恩返しをするというもので、「狸賽(たぬさい)」ではサイコロ、「狸の釜」では金の茶釜、「狸の札」では紙幣にといった具合です。ただ、最後に失敗してオチになるというものでございます。
人を化かすのですが、ちょっと間の抜けた愛嬌者。外見から来ていると思いますが、これが日本人の狸に対するイメージのようです。
タヌキは夏と冬では体の雰囲気が違います。夏毛ではほっそりしていますが、冬毛ではふっくらとして愛くるしく見えます。きっと冬毛の方がタヌキのイメージとして定着しているのではないでしょうか。
東山動物園ではタヌキの森に6頭とすぐ近くに人工哺育で育った1頭がいます。季節による外見の違いもご覧いただくとおもしろいかと思います。
人の場合も同じで、夏は薄着ですが、冬は着太りします。ただ、体脂肪の変化は本人の努力次第ということで...。
動物園長 橋川 央