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オフィシャルブログ

名古屋カバ入り物語?H

2011年11月11日(金)

今回は最終回。
“あとがき”として現在のカバたち、三代目「重吉」と二代目「福子」のことを書きたいと思います。



三代目「重吉」



二代目「福子」



前回までで東山動物園の歴代のカバたちを紹介してまいりましたが、70年以上の歴史の中で、三代目「重吉」・二代目「福子」夫婦はまだ第3世代にすぎません。そのわけは、第2世代である二代目「重吉」・「福子」夫婦が長寿であり、多くの子孫を産み、歴史に名を残すカバとなったからであることは、これまで紹介してきたとおりです。

さて、第3世代である彼らは、先代のように子孫をたくさん残し、カバといえば東山動物園の「重吉」「福子」とその名を再び日本全国に轟かせることはできるのか?

答えは明らかに「No」です。

というのは、彼らの資質の問題ではなく、産まれた時代の問題であり、二代目「重吉」・「福子」を先祖にもつ三代目「重吉」の宿命のようなものです。

「日本の動物園にいるカバの6割が二代目「重吉」と「福子」の子孫」ということはどこを探しても親戚だらけということになります。仮に三代目「重吉」・二代目「福子」夫婦に子どもが産まれたとしても、その結婚相手探しは困難を極めます。なぜならば、近親者と結婚し、子どもが産まれれば、その子には先天性の病気や障害が起きやすくなるからです。

となれば、「海外から」ということで、二代目「福子」はメキシコからやってきました。しかしながら元来が多産なカバ。先代が亡くなり空室があればこそ受け入れもできますが、国内の施設はほとんど飽和状態で、子どもが産まれてもなかなか引き取り手がないのが現状です。

となれば、「海外へ」ということで、二代目「重吉」・「福子」夫婦の12番目の子は台湾へ、17〜19番目の子は中国へと旅立ちました。しかしながら、アジアが急成長していた当時と違い、現在ではこれらの国でもカバの需要はあまりないでしょう。

ということで、平成13年11月の結婚式からちょうど10年経ちますが、三代目「重吉」・二代目「福子」夫婦には子どもが1頭しかいません。平成15年6月9日に生まれた「小福」です。



二代目「福子」と「小福」



「小福」は、平成19年6月に富士自然動物公園へと旅立ちました。それ以降、東山動物園のカバの運動場で見られるカバは1頭だけになりました。引き取り手がないので、子どもを産まないよう、三代目「重吉」と二代目「福子」は交替で運動場に出ているためです。

過去のブログに「カバの太陽は3時間」というのがありました。カバの一家が見られないのは残念なことですが、みなさん我慢しましょう。カバたちはもっと我慢しているのです。

今秋、本格的に始まった再生工事。
まずはアジアゾウエリアからですが、このあとはサバンナエリア、すなわちカバたちがすむエリアへと進んでいきます。

今後再生が順調に進み、
カバ少子化時代にあった三代目カバ舎実現を!
というところで、この連載を終わりたいと思います。


再生整備課再生整備係  西尾 健司

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