植物DNAの保存とバーコード化
2010年09月04日(土)
平成22年7月30日、東山動植物園と名古屋市立大学は学術連携に関する覚書を締結しました。両者が連携し、東山動植物園の再生の着実な実現と、名古屋市立大学の研究・教育活動の一層の推進を図り、相互の発展と魅力ある地域社会づくりを目指すものです。
その取組みの一つに、「遺伝子多様性のデータバンク作り」があります。動植物のDNAを解析、バーコードとして登録し、データベース化する計画です。将来的には、見た目で違いの分らない生物でも、そのDNAを照合することで種を判定も可能となります。
9月3日、名古屋市立大学「生物多様性研究センター」センター長の森山教授が来園され、東海地方に固有なシラタマホシクサなど、湿地園を中心に植物標本数十点の採取をされました。DNAの抽出には葉0.01gあればよく、抽出されたDNAは冷凍保存すれば半永久的に保存可能とのことです。
この取組みはまだ、始まったばかりですが、名市大で解析したデータは国際的な「DNAバーコード」プロジェクトにも登録される予定で、植物園にとっても、植物の由来等の情報や分類上の位置づけがより科学的根拠に基づくものとなり、コレクションの価値が一層高いものになると期待されます。
植物園長 舟橋 和時