アシダカグモの妊婦さん
2010年09月01日(水)
メダカ館ビオトープの掃除中に飼育係が発見したアシダカグモです。毒や咬害はなく、一般的な家屋でも見られる普通種ですが、このアシダカグモは自分の体ほどもあるお団子のような物体をしっかりと抱えていたのです。
このお団子の正体は、数百個もの卵を糸で包んだ「卵嚢(らんのう)」。母グモはこのかたまりを口にくわえて、孵化直前まで肌身離さず持ち歩きます。まるで妊婦さんみたいですね。孵化するまでの約10日間、母グモは何も食べずに卵を守り続けます。
発見から5日後には、この卵嚢からもたくさんの子グモが孵化しました。元気いっぱい這い出してきた子供たちとは裏腹に、何日も何も食べていない母親の腹部は小さくしぼんでしまっています。
お母さん、お疲れ様! 写真撮影後、親子ともどもメダカ館の裏手に放しました。
動物園飼育第二係 井本みな