ディスプレイガーデン「ファーブルの庭・花ころがし」
東山植物園では、昭和62年に開催された「なごやHAPPYフェア」において、花の立体展示を全国に先駆けて行うなど、この分野での実績があります。
この秋、名古屋で開催される「COP10」に因み庭、「ファーブルの庭」をテーマにしたディスプレイガーデンを設置しました。なかなか、認知度が深まらない生物多様性のアピールとその理解につなげるために企画したものです。
「昆虫記」で有名なファーブルは、「植物記」も書いています。植物のこともしっかり観察しないと昆虫の総合的な理解も出来ません。
生き物の世界は、ある種類だけが単独で生きていることはなく、互いに利害を交えながらつながりあって生きています。どの生物もこの命のネットワークに組み込まれ、ただの1種も不要な種はありません。
ファーブルの昆虫記で有名なフンコロガシ(スカラベ)は、牛や馬などの草食動物の新鮮な糞を玉にして、巣に運び、卵を産んで子育てをします。この昆虫のおかげで、道や地面が清潔になります。
この昆虫の生活の1シーンを花で再現しました。転がしているのが花の玉なので、「花ころがし」と名付けました。
なお、この企画は名古屋東山ライオンズクラブさんから資金協力をいただき、実現しました。ありがとうございました。厚くお礼申し上げます。
植物園長 舟橋 和時