中京椿が見頃です!
中京椿とは、尾張地方を中心に、三河、伊勢、美濃地方など、中京地区において作出されたツバキの園芸品種の総称です。
この地方では、古くから華道や茶道が盛んでした。
そのため、花材となるツバキもこの影響を強く受け、一重、早咲き、筒咲などの形質をもった品種が多数作り出されました。
当園の椿園の中から、今、咲いている中京椿をご紹介しましょう。
まずは「参平椿」、桃色の花弁のふちを白糸でかがり縫いしたようにおしゃれな覆輪のツバキです。
近くで観察すると、花弁に濃紅色の脈が走っていることがわかります。
「中京美人」は、すっきりとした一重咲き。
白地に紅色のラインが入る上品な花です。
「神宮太郎庵」は熱田神宮の別宮、八剣宮のご神木。
満開時はラッパ咲きになります。
花だけでなく、枝ぶりもご覧ください。
「三河雲竜」は左右にうねる枝の姿が特徴です。
幹や枝が屈曲する品種を「雲竜」と呼ぶことがありますが、このツバキも蛇行しながら成長します。
原木は、三河地方山間部のヤブツバキから選別されました。
椿園にはこれらを含めて約250種のツバキがあります。
品種ごとの花の形や大きさの違い、さまざまな色をお楽しみください。
植物園緑地造園係 伊藤 文美