ニホンザルのジャンプ力 〜後編〜
2009年12月06日(日)
お待たせしました。今回で最後となりますが、逃走してからの続きをお話したいと思います。
山へ逃走してから、捕獲作戦は6日間続きました。
近隣の住民の方を初め多くの方々にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
また、逃亡生活続けた「カッパちゃん」の心労も大変だったことと思います。
この事件を受けて、ニホンザル舎のオープンを延期し、脱出できないよう改良することになりました。
オープンを予定していたニホンザル舎は、今までのサル山形式でなく、擬木や鉄塔、本物の樹木などを多く配置するなど新しい試みを取り入れた施設としました。
そのため、脱出防止対策を立てるに当たり、ニホンザルの跳躍力について過去の経験値や研究者から助言を受け十分な配慮をしました。
しかし、脱出したニホンザル「カッパちゃん」は過去の経験値をはるかに超える能力を発揮してくれました。
野生動物の能力は、オリンピックや体育大会がある人間のようにデータがあるわけではありません。
野生動物の能力は計り知れない部分もありますが、人間と同じように進歩しているのかもしれません。
来年の春にはニホンザルを新獣舎でお見せいたします。
もうしばらく、お待ちください。
3回にわたってお話させていただきましたが、最後までお付き合いをいただきましてありがとうございました。
今後も逐次、様々な動物の情報などを提供していきたいと思います。
動物園長 小林 弘志