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ヒメコウゾのため息

2008年05月01日(木)

4月29日(火・祝)午後2:30ごろ1本の電話が事務所に入った。
「ヒメコウゾの花らしきところから、白い煙のようなものが出るが、これは何ものか。」
今日、植物園の和風庭園(日本庭園)の付近で見たとの問い合わせ。
電話の周りの職員は誰も見たことがないというし、理由も知らない。

早速、現地へ行ってみる。なかなか電話の場所は特定できなかったが、ヒメコウゾはすぐ分かった。ちょうど花が咲いており、雄花、雌花が一つの枝にいくつか付いている。

多分花粉だろうと、枝を軽くたたいてみるが何も出ない。一緒に行った職員とも聞き間違いかなどと話していたときである。
ほわっと何か白いものが飛んだ。いや、流れた。
「今見たよね。」
お互いが、確認しあっていると、また、ほわっ。
確かに見た。さっきとは違う場所だが、同じ木の枝だ。
思わずカメラを構えてみたが、いつ出るとも分からないもの。撮れるわけがない。カメラを降ろしたとき、また流れた。
 
確かに、タバコの小さい煙のようなものが出ている。でも、正確にどこから出ているのかよく分からない。

その後、かなりの時間次の煙を待ったが見ることは出来なかった。こんな不規則では、とてもカメラには収められない。電話のかたも、
「ビデオのようなものでないと、撮影できない。」
と言ってみえたのを思い出した。なるほどその意味を実感した。



事務所へ帰って、いくつかの図鑑、何人かの職員が調べて分かった。

雄花は、つぼみのころ花糸を内側に曲げており、開花のとき急に伸びて花粉を散らす (地人書館「植物観察事典」より要約)

とある。どうもコウゾ類に共通の現象らしい。
次の課題は、これを写真に収めることであるが、かなり気長な作業となるであろうから、仕事中には認めてもらえないな... とため息。


植物園緑地造園係  安藤 和生

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