植物園長の庭 揚羽蝶(アゲハチョウ)
2020年08月01日(土)
園内のお花畑の一角では、アガパンサスが花盛りです。アガパンサスの花には蜜が多いのか、カメラを花に向けて待っていると、色々な昆虫が集まってきます。
写真のチョウは「キアゲハ」と「モンキアゲハ」です。アゲハチョウの仲間は、日本の蝶類の中では大型の部類に属し、モンキアゲハは日本在来の蝶の中で最大級と言われています。
アゲハチョウの成虫は蜜を吸うため、色々な花へ移動しますが、幼虫の時には、極端に偏食の昆虫です。キアゲハはセリ科の植物、モンキアゲハはミカン科の植物、ジャコウアゲハはウマノスズクサ科の植物だけを食草にします。また、同じアゲハチョウの仲間のギフチョウはカンアオイ、アオスジアゲハはクスノキ科の植物しか食べません。
植物園内で大量の蝶が観察できると楽しいですが、食草となる植物にとっては、蝶の幼虫の大量発生は迷惑な話です。また、蝶の幼虫が大量発生すると、鳥が集まってきて幼虫を捕食します。
自然界のバランスは、実に良くできていますね。
植物園長 谷口 茂弘