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コケ植物とそれによく似てるもの。

2020年07月21日(火)

植物を大きく分類すると種子植物、シダ植物、コケ植物に分けられます。
今回はそのうちコケ植物を紹介します。

❖コケは漢字で書くと「苔」ですが、古くは「木毛」と書き、木の幹や枝に生える小さな毛のような植物を意味していたと思われます。

コケ植物は分類上では蘚苔類(せんたいるい)とよばれています。蘚苔類はさらにセン類、タイ類、ツノゴケ類に分類されます。
そして少しわかりにくいのですが、コケ植物によく似た外観をしているものに地衣類(ちいるい)〈注1〉があります。地衣類は一見するとコケのようにも見えますが、分類上は植物ではなく、菌類(カビやキノコの仲間)になります。
また水槽の内側に生える緑色のコケに似てるものは緑藻であり海藻類(かいそうるい)に、芝地などに生えているブヨブヨしたイシクラゲは藍藻類(らんそうるい)に分類されます。
そのなかでも蘚苔類と地衣類はよく混同されることがあります。その原因として地衣類の和名には、ウメノキゴケ、ハナゴケなど最後にゴケつきます。そのため菌類であるにもかかわらず、コケ植物と思われがちです。

★それでは早速、コケ植物とそれによく似てるもの?を探してみましょう。

【ジャゴケ:タイ類】

写真①.jpg


【スギゴケ:セン類】

写真②.jpg

【ハイゴケ:セン類】

写真③.jpg

【ヘリトリゴケの類:地衣類】

写真④.jpg

【ムカデゴケの類:地衣類】

写真⑤.jpg


【イシクラゲ:藍藻類】

写真⑥.jpg


【ヒカゲノカズラ:シダ類】

写真⑦.jpg


★〈注1〉地衣類(ちいるい):菌類のうちで、藻類を共生させることで自活できるようになったもの。地衣類の体には、藻類(そうるい)が入り込んで共生しており、その藻類を共生藻(きょうせいそう)と呼び、菌類を共生菌(きょうせいきん)と呼びます。菌類は藻類に安定した住み家と生活に必要な水分を与えるかわりに、 藻類が光合成で作った栄養(炭水化物)を利用して生活します。

❖日本には蘚苔類が約2000種、地衣類が約2000種あるといわれています。植物園内でも多くの種類の蘚苔類や地衣類を見ることができます。普段は桜や薔薇など、花の咲く種子植物に目が行きがちですが、少し視点を変えてたまにはコケ植物などを観察してみてはどうでしょうか。オススメは断然、雨の日ですよ。


植物園 緑地造園係長 太田幹夫

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