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植物の名前はどうやって決めるの?

2020年05月21日(木)

❖最初に薔薇(バラ)が見ごろをむかえていますので紹介します。

【プリンセス・アイコ Rosa'Princess Aiko'】

写真①.jpg

【プリンセス・ドゥ・モナコ Rosa'Princess de Monako'】

写真②.jpg

◆春バラの特徴は、ナントいっても花が大きく、数も多いので大変ゴージャスです。

写真③.jpg

❖さあ。ここから本題です。
皆さん、植物の名前はどのようにつけられているのか知っていますか。
欅(ケヤキ)、黒松(クロマツ)、大島桜(オオシマザクラ)、銀杏(イチョウ)
これら普段よく耳にする名前は和名といいます。日本語なので覚えやすいという利点はありますが、残念ながら日本でしか通用しません。しかし普通に植物を愛し楽しむ方なら、むしろ和名のほうが断然親しみが湧きます。

◆では和名はどのようにつけられたのでしょうか?。
和名の由来には、①植物の形質(色・大きさ・形状など)②似た部分のある動物から③歴史上の人物から④神社・仏閣・仏具に由来するものから⑤昔の生活用品に関わるものから⑧産地・自生地など、何がしらの理由がそこにはあります。
(※これら和名の由来を解説した図書も出版されています。興味のある方はぜひご覧になってください。)

【欅(ケヤキ):ニレ科】

写真④.jpg

◆では、和名以外にはどんな名前があるの?。
世界共通の名前があります。これを学名と言います。皆さんも一度は聞いたことがあると思います。日本に分布している植物が同時に国外にも分布していることは普通にあります。そのような時に同じものを指し示す言葉が必要になります。これが学名です。

例えばケヤキはZelkova serrata、クロマツはPinus thunbergil
オオシマザクラはCerasus speciose、イチョウはGinkgo bilobaが学名です。

その学名ですが、国際藻類・菌類・植物命名規約によって国際的な基準が厳格に示されており、必ずこの規約に沿った形でしか名前をつけることができません。
また栽培植物(人が何らかの価値を見いだして栽培している植物)は、国際栽培植物命名規約に沿ってつけられています。

例えばバラの'プリンセス・ミチコ'はRosa'Princess Michiko'
ツバキの'太郎庵'はCamellia `Taroan'
アジサイの東雲はHydrangea sarrata(Thunb.)Ser.`Shinonome'が学名です。
(※栽培品種小名はシングルクォーテーションで括ります。)

['プリンセス・ミチコ' Rosa'Princess Michiko']

写真⑤.jpg

【'太郎庵' Camellia `Taroan'】

写真⑥.jpg

【'東雲' Hydrangea sarrata(Thunb.)Ser.`Shinonome'】

写真⑦.jpg◆一方和名ですが、こちらは学名のような厳格な規則はなく、あまりにもおかしな名前でないかぎり、発見者が自由につけることができます。

最近では新種のサクラに熊野桜(クマノザクラ)の和名がつきました。こちらは2018年に発見者である勝木俊雄先生により命名されました。学名はCerasus kumanoensisです。

❖植物園・見ごろの植物

【ケムリノキ(別名/スモークツリー):ウルシ科】

写真⑧.jpg

【ブラシノキ(別名/カリステモン):フトモモ科】

写真⑨.jpg

【要黐(カナメモチ):バラ科】

写真➉.jpg

❖植物に自分で名前をつけたい。

そう思った方は新種探しに挑戦してみてください。植物の世界には、まだ見つかっていない種がたくさんあるようです。

植物園緑地造園係長 太田幹夫

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