ゆずり葉
◆ユズリハ
Daphniphyllum macropodum Miq. ユズリハ科
河井酔茗(かわい すいめい)とう方の『ゆずり葉』という詩をご存じでしょうか?お話に関連して少しだけ冒頭部分を引用させていただいて、ご紹介いたします。
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『ゆずり葉』
子供たちよ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入り代わってふるい葉が落ちてしまうのです。
こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずってー 。 (後略)
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ご興味のある方は、お調べいただき是非全文をお読みいただければと思います。私は小6の時に出会い(だいぶ昔の話ですが...)それ以来ユズリハを見るとよくこの詩を思い出します。
ユズリハは雌雄異株の植物で当園では早春の小径(こみち)沿いに雄株があります。春に新しい葉が出ると古い葉が落ち、まさに「譲葉(ゆずりは)」です。今年はこの閉園期間中に新しい葉と古い葉が入れ替わっていきました。
⦁ 4月上旬 枝先の頂部に葉芽と花芽が出来始め
⦁ しだいに頂部の葉芽が緑に、雄花の葯の形が見え始め赤い色も鮮やかに
⦁ 頂部の萌黄色の葉が展開しはじめるとちょっと可愛げな感じ
⦁ 5月に入り雄花成熟してくると赤かった葯の色が変り、葉の色は少し濃さを増してきました。
⦁ 5月中旬頃、新しい葉が出そろいユズリハらしく立派な感じに。一方、その足元には2年目の古い葉が落ちていました。
植物園緑地造園係 野村 幸央