植物園長の庭 兼六園菊桜(けんろくえんきくざくら)
2020年04月24日(金)
【兼六園菊桜】
園内の桜も、いよいよ終盤となってまいりました。金沢の兼六園にあった天然記念物、「兼六園菊桜」の原木は、残念ながら枯れてしまいましたが、関係の皆さま方のご尽力により、後継樹やクローン苗が引き継がれています。当園では、兼六園菊桜が、約100種類に及ぶ桜のリレーのアンカーに位置付けられています。
桜の花は通常、5枚の花弁が付いていますが、多くの桜は八重咲の性質を持っているため、二重、三重、八重、菊咲きと呼ばれる様々な品種が存在します。花びらの枚数が特に多い菊咲き性の品種の中でも、兼六園菊桜は、350枚~380枚もの花びらを持つものがあると言われています。当園の兼六園菊桜はまだ若木なので、花のボリュームもそれほどではありませんが、強風で落花した大きそうな花を選び、分解して花びらの数を数えてみたところ、240枚の花びらが確認できました。
【花びらの枚数を数えてみました】
現在、休園中の動植物園の様子を少しお伝えしたいと思います。休園中にも関わらず、園内はカラスの団体で大にぎわいとなっています。我が物顔で園内を飛び回り、竹林もご覧のとおり。せっかく頭を出し、伸び始めたモウソウチクのタケノコがカラスの餌食です。
【カラスの餌食となったタケノコ】
植物園長 谷口茂弘