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オフィシャルブログ

「桜の回廊」調査しました

2020年04月13日(月)

 植物園「桜の回廊」は平成21年3月にオープンしたサクラの見本園です。
 「桜の回廊」には約100種のサクラが展示されており、早春から晩春にかけて順次開花していき、毎年多く来園者でにぎわいます。

 しかし残念ながら今年は、コロナウイルス感染拡大防止のため、4月10日から閉園となり、晩春のサクラをご覧いただくことができなくなってしまいました。

 さてそのサクラですが、それぞれに樹名板が付けてあり、そこに名前(栽培品種名)が記載されています。
 そこで今年は「桜の回廊」に展示しているサクラと樹名板が正しく付けられているか、確認作業を行いました。確認方法は、図鑑との照合です。

❖まずは図鑑から。

【桜の花の部位の説明:日本の桜:勝木俊雄著(Gakken)より抜粋】.jpg

【桜の花の部位の説明:日本の桜:勝木俊雄著(Gakken)より抜粋】

 最初に開花時期、花弁(かべん)の枚数、花の色や大きさに注目します。次に雄しべ、雌しべ、萼筒(がくとう)、さらに花柄(かへい)、小花柄(しょうかへい)、萼片(がくへん)、毛の有無等と順番に照合していきます。

 例えば'染井吉野'(ソメイヨシノ)と'アメリカ'はともに'江戸彼岸'(エドヒガン)と'大島桜'(オオシマザクラ)の種間雑種と考えられており、互いによく似ていますが、'染井吉野'(ソメイヨシノ)は萼筒がわずかにくびれており毛が多いこと、'アメリカ'は花柄が短く、小花柄は長いという特徴があります。

【'染井吉野'(ソメイヨシノ):よく見ると小花柄に毛があります。】.jpg【'染井吉野'(ソメイヨシノ):よく見ると小花柄に毛があります。】

【'アメリカ':花柄が短く、小花柄が長いのがわかります。】.jpg

【'アメリカ':花柄が短く、小花柄が長いのがわかります。】

 

また'一葉'(イチヨウ)と'普賢象'(フゲンゾウ)はともに'大島桜'(オオシマザクラ)の栽培品種ですが、
'一葉'(イチヨウ)は花弁が20~40枚、雌しべが葉化していること、'普賢象'(フゲンゾウ)は花弁が20~50枚、2本の葉化した雌しべが特徴です。

'一葉'(イチヨウ):葉化した雌しべが1本あります。.jpg

【'一葉'(イチヨウ):葉化した雌しべが1本あります。】

【'普賢象'(フゲンゾウ):葉化した雌しべが2本突き出ています。】.jpg

【'普賢象'(フゲンゾウ):葉化した雌しべが2本突き出ています。】

 植物園の展示植物は、導入時の品種名によって管理しています。
 今回サクラについて確認作業を行った限りでは、ほぼ全てが正しく表示されていると思われます。というのは図鑑に載っていない栽培品種もあるからです。

 どうですか。皆さんも季節の花について、図鑑を見ながら観察すると植物がもっと好きになりますよ。

植物園緑地造園係長 太田 幹夫

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