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オフィシャルブログ

'クマノザクラ'・あります

2020年04月04日(土)

タイトルを見てナニ!と思われた方は、かなり桜に詳しいのではないでしょうか。

【さくらの回廊:こちらは満開の'円通寺桜'エンツウジザクラ】.jpg

【さくらの回廊:こちらは満開の'円通寺桜'エンツウジザクラ】

【こちらが'熊野桜'クマノザクラ まだ苗木です。】.jpg【こちらが'熊野桜'クマノザクラ まだ苗木です。】

クマノザクラは、平成30年に森林総合研究所多摩森林科学園の勝木俊雄先生によって、100年ぶりに新種として発見された野生種です。紀伊半島南部に分布し、3月下旬から4月上旬頃に薄紅色の花を咲かせます。

❖ここでクマノザクラと他のサクラとの違いについて説明したいと思います。
みなさんがよく知っている'染井吉野'も同じサクラなのですが、実はその出生が全く違います。まさにここが一番重要なところです。
'染井吉野'をはじめとして、公園などで見かける大部分の桜は栽培品種です。ここが野生種であるクマノザクラとの一番の違いです。

栽培品種というのは、普通に自然に存在しているものではなく、人が何らか価値を見いだして栽培しているもの(人為的につくられたもの)です。例えば'染井吉野'はエドヒガンとオオシマザクラの種間雑種です。それに対して野生種とは、自然に山野に生育し、繁殖しているものをいいます。つまり人の手が加わっていない種です。

こちらは'染井吉野'ソメイヨシノ.jpg

【こちらは'染井吉野'ソメイヨシノ 桜の代名詞ともいえます。】

何となく?クマノザクラのすごさが伝わりましたか。
もう少し簡単に言うと、栽培品種であるサクラは、その気になれば、いつでも作ることは可能ですが、野生種のサクラは、この先もう見つからないかもしれないということです。

❖日本の野生しているサクラは11種
ヤマザクラ、オオシマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、チョウジザクラ、エドヒガン、ミヤマザクラ、カンヒザクラ、クマノザクラです。

東山植物園では昨年、クマノザクラの苗木を勝木先生から分けていただきました。その苗木を大切に育て、令和2年2月に桜の回廊に植栽しました。花を咲かせるまでには、まだ数年かかると思いますが、みなさん楽しみにしていてください。

❖'はるか'・あります。

❖'はるか'・あります。.jpg

こちらの桜も勝木先生によってつくられました。
2013年に女優の綾瀬はるかさんにより'はるか'と命名された新種の桜です。'はるか'には「福島・東北を応援するシンボルとして、日本全国、世界へ広がって、大輪の花を咲かせてほしい」という想いが込められています。

○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。

植物園緑地造園係長 太田 幹夫

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