葦の門松
2019年12月15日(日)
❖ 最初にひとこと。12月の植物園は魅力的です。
【南天(ナンテン):ナンテンの音が「難転」に通じることから縁起木とされています。】
❖ 葦の門松。いよいよ・ここからが本題です。
葦は、イネ科ヨシ属の多年草です。高さは2~3mになります。夏に見かける"よしず"は、葦の茎が使われています。
そんな葦を門松にして飾ってみたらどうでしょうか。見たくないですか。
実は既に450年も前からあったのです。
葦の門松は、1570年、姉川の合戦に信長軍の一員として従事していた兼松又四朗正吉が陣中で正月を迎えたおり、部下に河原に生えていた葦を刈らせ、真竹を切って、質素な門松を立てて武運を祈りました。姉川の合戦は結局決着がつきませんでしたが、これに続く朝倉攻めは信長軍の大勝利になったことから、吉例として以来、兼松家では代々葦の門松で正月を祝ったとのことです。
【葦の門松完成です。これぞ植物園植物管理人による力作です。】
ではなぜ植物園に葦の門松を立てるのでしょうか。
実は植物園にある武家屋敷門は、大正8年まで兼松家の屋敷門として使用されていたものを昭和42年に現在の場所に移築しました。そのため植物園でも兼松家の伝統にならって、以来毎年葦の門松を立てて正月をお祝いしています。
【しめ縄飾りも付け、お正月の準備が整いました。】
門松の形は地方によっていろいろと異なりますが、葦の門松は他でもあまり見かけないめずらしい形だと思います。ぜひ一度ご覧になってください。
葦の門松は、令和2年1月13日(月)まで植物園の也有園に飾ります。寒い季節になりましたが、この時期ならではの植物園の魅力もあります。皆様、ぜひお出かけください。
○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。
植物園緑地造園係長 太田 幹夫