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オフィシャルブログ

繁殖成功!!

2019年05月28日(火)

私の担当動物である日本のメダカに近縁なメダカの仲間は世界に37種生息し、そのうち32種をこの世界のメダカ館で飼育しています。そのほとんどを自家繁殖で継代飼育していますが、その中には、繁殖と稚魚育成が難しくなかなか次世代に命を繋ぐことができない種類がいます。
今回はAdrianichtys oophorus (オオホルスメダカ)がようやく安定的に繁殖に成功し、次世代が成魚に成長することができたので、この種類について紹介したいと思います。
オオホルスメダカは全長が最大で8cmにもなる大型のメダカで、インドネシア・スラウェシ島のポソ湖にだけ生息します。メスは産卵後、卵が孵化するまでお腹に抱える珍しい習性をもっています。

【お腹に卵を抱えたメス、卵の数は20卵ほど。】

写真1 (3).jpg


【孵化直前の卵 卵径2mm】

写真2.jpg


湖の沖合の深い場所に生息すると考えられていますが、詳しい生態はまだわかっていません。世界のメダカ館では、生息地を想像しながら、オオホルスメダカの飼育をバックヤードにあるなるべく深く幅も広い水槽で照明の光量をおさえて飼育するよう工夫しました。
飼育開始から半年後には、オスとメスが誘い合うような行動が見られ、初めての産卵を確認しました。しかし無精卵が多いことや、孵化前にメスが卵を落とすことが多く、なかなか稚魚を多く残すことができませんでした。そこで、今度はエサの量や回数に注目しました。このメダカは体が大きいだけあって、食べる量も多く肉食性も強いため、エサの量や回数を増やしてみました。飼育を開始した当初に比べて体が十分成長し、そのおかげもあってか順調に産卵、孵化までをメスのお腹で過ごすことができ、現在は多くの稚魚が孵化し育っています。
次世代の稚魚が成長し、安定的に増えるようになったので、現在は数匹の親魚をバックヤードから展示水槽に移して皆さんにご覧いただけるようにしました。メダカ展示コーナーの一番深く大きい水槽(ポソ湖に生息するメダカの水槽)です。この中には2種類のメダカが泳いでいますので、その中からオオホルスメダカを見つけてみて下さい。体全体が光の加減で青く光り、顔に対して目が大きいメダカです。まだ数匹しか展示していませんが、これから多くを展示できるように、バックヤードでの稚魚育成をさらに進めていきたいと思います。
ぜひ、夏も涼しい世界のメダカ館へ新しいメダカを見に来てくださいね!!

動物園飼育第二係 田中理映子

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