絶滅危惧種 ハリヨが産卵中です!
みなさんはハリヨという絶滅危惧種の淡水魚をご存知ですか?
岐阜県と滋賀県の湧き水があるごく一部の水域にしか生息しない希少種です。
展示中のハリヨのオスは全身青色に発情して縄張りを作りながらメスを誘い、繁殖行動を行っています。卵は主に水底に作られた巣に産みこまれ、そのままにしておくとカビが発生してしまうので取り上げてバックヤードで孵化させています。卵はまるで宝石みたいにきれいです。1つ1つの卵はくっついています。
卵を顕微鏡で観察すると、産卵直後の卵には多くの小さな気泡が見られます。写真の目盛は約1㎜間隔です。
産卵6日目になると、卵の中で大きくなったハリヨの赤ちゃんが見られるようになります。心臓も動いていて、目もはっきりとわかりますね。
産卵から7日目に孵化したハリヨの赤ちゃんです。まだ泳ぐことができず水底に横たわっている状態です。孵化後3日目ぐらいからしっかりと泳げるようになります。
バックヤードでは、約400匹以上のハリヨの赤ちゃんが誕生していますが、展示水槽でも卵から孵化した赤ちゃんが見られます。約1㎝に成長した赤ちゃんハリヨが泳いでいます。
ハリヨの展示水槽は、世界のメダカ館にあります。繁殖についての解説ボードも設置していますので、ぜひ美しく発情したハリヨのオスと赤ちゃんハリヨを見に来てくださいね!
より多くの方に絶滅危惧種のハリヨを知ってもらうことを担当者として願っています。
動物園飼育第二係 水野 展敏