ヤチヤナギを知っていますか。
2019年02月05日(火)
ヤチヤナギと聞いてピンとくる人は、かなり植物に詳しい方です。それくらいなじみのない植物です。 ヤチヤナギだからヤナギの仲間? 実はヤマモモの仲間です。 もともとは寒い地方の植物ですが、愛知県内では田原市の黒河湿地に自生しています。
❖ヤチヤナギが八竜緑地にあるわけは?
1978年に植物学者の井波一雄氏が黒河湿地からヤチヤナギの雌木を名古屋市東山公園(緑橋橋下駐車場付近)の湿地に移植。その後1993年に名古屋高速道路排気塔の建設工事により生息地が消滅する恐れがあるため、守山区八竜緑地に移植しました。それから26年、再びヤチヤナギを八竜緑地から東山植物園に移植することになりました。
なおヤチヤナギは、愛知県レッドデータブック2015において、絶滅危惧ⅠA類(注)に指定されているため、移植に際しては、愛知県に協議書を提出し、許可を得ています
(注)絶滅危惧ⅠA類とは
ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。
❖2019年1月21日 守山区八竜緑地(湿地)での採取作業に着手
【ヤチヤナギは地下茎が発達してからみ合っているため、根を切らないよう丁寧に掘り取りました。】
【ヤチヤナギの雄花:枝先についている大きな芽のようなものが雄花です。】
❖植物園湿地園への移植
【みなさんに近くで見ていただけるように、園路沿いにも植栽しました。】
さて、どんな花が咲くでしょうか。
早く花を見てみたい方は、図鑑で調べてみてください。お待ちいただける方は、お楽しみに。
4月には花が咲きます。
なお今回の移植には、守山土木事務所と(公財)名古屋市みどりの協会のみなさんにもお手伝いいただきました。
❖おまけ
【夏のヤチヤナギ・これで一株です。人力で掘るのは相当大変でした。】
○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。
植物園緑地造園係長 太田 幹夫