なんだ‼ 君は? 第二章
2018年12月07日(金)
なんだ。なんだ。キノコか?でも変だぞ。ひょっとしてアリ塚?モグラ塚?高級食材か?
いいえ私は気根です。正確にはラクウショウ(落羽松)の気根です。
【"地面に不思議な物を発見したぞ#!】
【接近:ボクは気根と言います。実は根っこの一部です。】
ラクウショウの別名はヌマスギです。その名の通り水湿地に生える植物です。
ではなぜこんなものがにょきにょき出てくるのでしょうか。それは、ラクウショウが生えている場所にヒントがあります。
樹木は通常、葉だけではなく根でも呼吸をしています。しかしラクウショウのように水湿地に生える植物は、時に根元が水没してしまうことがあり、呼吸ができなくなってしまいます。そこで根の一部が上に伸びて水面から頭を出して呼吸を補うために発達したものです。
このように気根を持つ植物は、形態に違いはありますが、タコノキやヒルギの仲間など、水湿地に生える植物に多く見られます。しかし一方で水辺や低地、氾濫原など半湿地に生育するハンノキやミズキ、ヤナギでは気根は見られません。このことから沼や水湿地など植物にとって厳しい生育環境に適応するために発達した器官と言えます。
【ラクウショウ(落羽松)】
東山植物園では宿根草園とアメリカ産植物見本園で見ることができます。どれも個性的な形をしているのでお気に入りの気根を探してみてください。思わず顔を書いてしまいたくなるような、かわいいものもありますよ。(^o^)
【きこん3兄弟です。】
【こんなところにもヒョッコリ】
やはり自然の造形は、すばらしい。ヽ(^o^)丿人がまねのできない美しさがありますね。
○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。
植物園緑地造園係長 太田 幹夫