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オフィシャルブログ

古窯: "こよう"と読みます。

2018年11月29日(木)

 ふと窓の外を眺めると、重機の向うに赤茶けた土の層がむき出しになっていた。かなりの粘土質であることは見ればすぐにわかる。そういえば古窯があったな。この土を焼いていたのか。古窯ってなんだろう。などなど考えるうちに調べてみたくなった。

 そこで今回は、東山植物園内に展示保存されている「古窯」を紹介したいと思います。

①【執務室からの眺め】.jpg

【執務室からの眺め】

②【擁壁(ようへき)が完成するとこの断面は見られなくなります】.jpg

【擁壁(ようへき)が完成するとこの断面は見られなくなります】

③【この土は本当に陶土なのか?】.jpg

【この土は本当に陶土なのか?】


 まずは基礎知識からはじめます。

【 "古窯"とは何か】
平安から鎌倉時代に始まった窯(よう)を指します。窯(よう)は瓦や陶器をやくかまのことです。

【東山古窯址群】
千種区の東山地区にはこうした古窯が総数で百基近く発掘されています。当時このあたりは良質の陶土と燃料の薪(まき)の調達に適した地帯であったと思われます。

【東山古窯址群 H-101号窯】
植物園に展示されている古窯は、日本庭園の造成中に発見され、昭和47年3月に発掘された鎌倉時代初頭の登り窯です。登り窯は薪(まき)を燃やす燃焼室、製品を入れる燃成室、煙突の役目をする煙出しの各部分が丘の斜面をはうように作られていることから「登り窯」と呼ばれています。
出土した遺物は日用品の茶碗、小皿、鉢などのほか、寺院の注文を受けて特別に焼いたとみられる瓦(かわら)、香炉(こうろ)、壺などがあり、当時の窯業生産のあり方を知るうえで貴重な資料となっています。

④【保存のため屋根を掛けています】.jpg

【保存のため屋根を掛けています】

⑤【正面からの様子:登っているのがわかります】.jpg【正面からの様子:登っているのがわかります】

植物園に展示保存されている東山古窯址は間近で見ることができ、斜面に沿って登るように作られている窯(よう)の特徴を観察していただけます。場所は日本庭園の北側斜面です。

ちなみに"窯"は、漢検では準2級のレベルです。(けっこう難しい)


○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。

植物園緑地造園係長 太田 幹夫

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