潜入!合掌造りの家
2018年11月29日(木)
本日は合掌造りの家を紹介します。合掌造りの家といえば、まず思い浮かべるのがユネスコの世界遺産に登録されている「白川郷・五箇山合掌造り集落」ではないでしょうか。ではどうしてそんな建物が植物園にあるの?もしかしてその昔は名古屋も豪雪地帯だったの?なんかモヤモヤしてきませんか。
では早速スッキリしてもらいましょう。この建物はもともと岐阜県大野郡白川村大牧にあったものですが、関西電力鳩ヶ谷ダム建設に伴い、大牧部落が全部水没することになったため、昭和31年に旧太田の建物を東山植物園に移築されたものです。
建物の広さ264m2、四層かやぶき屋根、高さ10mで天保13年(1842年)の建造されたものです。
お待たせしました。前置きはこのくらいにして、いよいよ潜入といきましよう。
みなさんは合掌造りの家には、一般に公開されていない場所があるのをご存知ですか。本日はその場所をご案内します。
【ターゲット 合掌造りの家】
【ミッションスタート 早速、玄関から潜入】
【すえ(板の間)ここはいつも公開中】
【でもその奥の引き戸に気になる注意書きが】
【失礼しま~す ちょうだ(女性の寝室)か】
【お!この急な階段怪しい、なんか臭う、昇るぞ】
【昔こんなの見たことあるぞ 干草(ほしくさ)のベットはどこだ】
【部材を縄で固定 これは玄人(くろうと)の技と見た】
【しかも囲炉裏(いろり)の真上にはこんなものが 罠か】
【さらに上へ昇る 見える見えるぞ 導いてくれ】
【お~これが合掌か 合掌造りの家たる所以(ゆえん)を遂に発見!】
【今度は地下に潜入,こ.これは秘密の抜け穴か】
【う~ん 残念、ただの床下収納庫でした】
どうでしたか。それではもう少しだけおつき合いください。
当時の合掌造りの家では、家族は全部一階に住み、二階以上には夏期は養蚕(ようさん)、冬期は秋に収穫した穀物、牧草、薪(まき)等を収納していました。また囲炉裏(いろり)の上にある柵は、泥棒よけの罠とかそういう類(たぐい)のものではなく、煮炊きする薪(たきぎ)の煙で屋根を燻(いぶ)し、防虫と乾燥を兼ね、屋根を長持ちさせるための工夫です。
以前は二階も公開していましたが、階段が急なうえに滑りやすく危険であるため、現在は立ち入り禁止になっています。
ところで合掌造りの家って地震でつぶれないの?心配なんですけど~ぉ。
ご安心ください。平成17年3月に耐震調査を行い安全が確認されています。どうぞみなさんごゆっくりご観覧ください。
合掌造りの家では、毎月「名古屋の結」のみなさん(ボランティア)による『囲炉裏(いろり)炊き』、『糸つむぎ』、『布ぞうり作り』を行っています。また毎月第四日曜日には「名古屋児童文学波の会」のみなさん(ボランティア)による『いろり端で聞く昔話の会』を開催しています。みなさん、ぜひこちらにもお出かけください。
【おまけ(非公開)】
ちょうだ(女性の寝室)の奥にある小部屋:その名も"おくのちょうだ"。
【さあ 何があるのかな 楽しみ】
【なんだ 物置か(´・ω・`)】
今は物置きになっていますが、当時は立派な小部屋でした。でもどうして、ちょうだの奥にまたちょうだがあるんでしょうか?謎です。ごれがちょうだ マトリョーシカなのか。
【お願いです】
現在"ちょうだ"は、管理人室になっています。「戸を開けないで下さい」の注意書きはそのためです。
でも"開けないで"と書かれると気になりますよね。
(鶴(つる)のお爺さんの気持ちわかる~ぅ。けれど、ちょうだに鶴(つる)はいませんし、機織(はたおり)もしていません。:日本の昔ばなしより。)
○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。
植物園緑地造園係長 太田 幹夫