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オフィシャルブログ

あなたしだいです(植物編)

2018年11月19日(月)

みなさんは樹幹に聴診器を当てると、ゴウゴウと水が流れるような音がするという話を聞いたことはありませんか。
もし誰かから「樹木は根から水を吸収して枝先まで水を送っているからその音に違いない。」と自信をもって言われれば、なるほどと納得してしまいます。
でもちょっと待ってください。もしそんなに勢いよく水を吸い上げているならば、木を切った瞬間に水が噴き出だしてくるはずです。例えばこんな感じに。

①【これはイメージです】.jpg

【これはイメージです】

でも実際にはこんなことは起こりませんよね。せいぜい切株の断面が湿っている程度です。

②【実際の切株 水が吹き出すことはありません】.jpg

【実際の切株 水が吹き出すことはありません】

では植物はどうやって水を枝先まで運んでいるのでしょうか。

植物には幹の内部の形成層に沿って、リング状に道管という水を運ぶための組織があります。水は道管内を通って枝先まで送られます。しかし実際に道管内を水が移動する速度は1時間あたり10㎝程度です。とてもゴウゴウとはいきません。水を樹木の高い位置まで上げる仕組みは、細胞による毛細管現象と考えられています。

写真③.jpg

じゃあ、この音って何? 道管内を流れる水の音じゃないの?

おそらく水の流れる音というよりは、梢の枝揺れや地面の振動などが混ざり合ったものが、樹幹に伝わっているものと考えられています。
どうですか。でも真実は他にあるかもしれませんよ。
信じるかどうかはあなたしだいです。

○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。

植物園緑地造園係長 太田 幹夫

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