植物の色(栗色 くりいろ)
2018年09月30日(日)
植物園内でムラサキウニを発見?違った、これはクリの殻斗(かくと:ブナの仲間の種子を包む殻の部分)です。
万葉の散歩道からお花畑への坂を登り切った東側のエリアに、枝垂れ栗と普通の栗が比較展示してあります。この枝垂れ栗は、長野県上伊那郡辰野町に自生する枝垂れ栗に由来しています。枝垂れ栗が自生地で自然林を形成している例は珍しく、辰野の枝垂れ栗は国の天然記念物に指定されています。
植物の枝垂れ性は、リグニンの生成に関係があると言われています。リグニンは、FRP(繊維強化プラスチック)の樹脂に例えられ、枝の繊維が固められていないと強度が弱くなり、枝が枝垂れる理屈です。
枝垂れ栗の他にも、ヤナギ、カエデ、サルスベリ、ツバキ、イチョウ、クワなど、枝垂れる性質を持った植物は多数あります。
さて、「栗色」は、栗の実の表皮の色を指しています。栗毛の馬の「栗毛色」も同じ色です。「栗皮(くりかわ)色」は栗色より少し濃い色で、栗の渋皮の色、あるいは渋皮で染めた着物の色など諸説あるようです。
クリの実「栗色」
たわわに実るクリ(8月下旬)
クリの実(6月中旬)まだ雌花の痕跡が残っている
植物園長 谷口 茂弘