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花の色(黄金色)

2018年05月01日(火)

日本は色彩が豊かな国です。昔から、自然や日常の中で見られる「色」が和歌にたくさん詠まれてきました。桜色、若草色、藤色、若竹色など、様々な色を言葉で表現することで、日本の文化に深味が生まれました。
伝統の色には、直接、花の色を表すものがあれば、茶色や藍色のように、布を染める材料として植物が使われ、本来の色からは連想できないような色になるものもあります。また、同じ黄色でも蒲公英(たんぽぽ)色、山吹(やまぶき)色など、風合いが微妙に異なります。私が子供の頃には、色鉛筆やクレヨンの色に植物の名前が付けられているものが多くあったように記憶していますが、最近はレモンイエロー、サーモンピンクなど、色の呼び方も洋風化しました。
近年、番号や記号を付けて色を区別することが普通に行われるようになってきましたが、日本に根差した「伝統の色」も文化として残していきたいですね。
今回は、ゴールデンウイークにちなみ、黄金色の花を2点紹介します。

①タンポポ.jpg

写真①「タンポポ」(也有園) 

蒲公英(タンポポ)色は鮮やかな黄色です。室町末期には既に蒲公英と呼ばれていました。セイヨウタンポポとニホンタンポポがありますが、現在では、花を見ることのできる期間の長いセイヨウタンポポが優勢となっています。地域によって白い花のものもありますが、蒲公英色と言えば黄色を指しています。

②ヤマブキ.jpg

写真②「ヤマブキ」(也有園) 

花には一重咲きと八重咲きがあります。八重咲きは、一重咲きのものを改良した園芸品種と思われがちですが、昔の和歌にも八重山吹(ヤエヤマブキ)が詠まれています。蒲公英とともに日本古来の色で、小判の色も山吹色に例えられています。今年は開花が早く、園内では4月下旬までに概ね散ってしまいました。

植物園長  谷口 茂弘

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