ツバキたちと仲良し!
花盛りの椿園。
カメラマンの方は、きれいに咲いたツバキやサザンカの写真を撮りたいのに、なぜかどの花にも茶色の傷がついている...、という経験はありませんか?
よく見ると、花の下のほうに集中して小さな穴が開いています。
どうしてでしょう?
正解はメジロ。
これは、メジロが足で花びらにつかまって蜜を吸うためにできる爪のあとです。
メジロは体重約10グラムの小さな鳥で、一円硬貨10枚分の重さしかありません。そのため、脚で花につかまって、器用に花の蜜を吸うことができます。
それでは、ツバキやサザンカはいやがらないのでしょうか。
いいえ、メジロの来訪は大歓迎なのです。
ツバキやサザンカは、花の蜜を吸いに来た鳥が花粉を体に付けて次の花に飛んでいくことで、花粉をやりとりして種子を作り、子孫を増やします。
メジロに来てもらうために、おいしい蜜を用意して待っているのです。
このように鳥が花粉の受け渡しをする花を「鳥媒花」といいます。
爪あとのある花は、鳥と植物が仲良く助け合っている証拠。優しく見守ってくださいね。
運がいいと、こんな写真が撮れますよ。
みなさんもぜひ、メジロとの2ショットを撮影してみてはいかがでしょうか。ご来園をお待ちしております。
植物園緑地造園係
伊藤 文美