チンパンジーのカランとコエ

2026年09月28日(月)

当園にはオス4頭メス5頭合計9頭のチンパンジーが群れで暮らしています。今回はメスチンパンジーのカランとコエについてお伝えします。

カランとコエはともに2017年10月21日生まれの現在8歳の双子のメスです。

写真①カラン.JPGカラン

写真②コエ.JPGコエ

チンパンジーの出産は1頭で生まれることがほとんどですが、ごくまれに双子が生まれます。現在日本の動物園で同じ群れで双子のチンパンジーをみることができるのは当園だけです。

名前の『カラン』『コエ』はアフリカ原産の多肉植物である「子宝草(学名:カランコエ)」に由来します。子宝草は『子孫繁栄』の象徴で、彼女らに将来そうなってほしいという願いが込められています。

カランは好奇心旺盛、活発、天真爛漫なチンパンジーです。給餌器を設置したり、ロープを取り替えた時など目新しい物を入れると真っ先に近づいて、見たり触ったり動かしたりして、それがどんな物なのかを自身でたしかめようとします。また、見慣れない人が来ると、水を口に含んでその人にかけようとします。どんな反応をするのかを試しているのだと思われます。私自身チンパンジー担当になった当初、口に含んだ水をかけられました。

また、遊びたい盛りのカランは祖父であるチャーリー(48歳)にちょっかいをかけて、チャーリーに追いかけられる場面が多く見られました。ただし、それはカズキ(オス・1歳)が生まれる前の話で、カズキが生まれてからはほぼみられなくなりました。

写真③カラン.JPG

カラン


2024年3月にマリモ(メス・14歳)が来園しました。マリモを群れに合流させる過程での初めての同居時、カランがマリモに近づいて、自分のお尻を向けてあいさつをしていました。この行動は相手に対して仲を深めたいという気持ちの表れです。それまでのカランをみていると、マリモにちょっかいをかけたりトラブルを起こすかもしれないと心配していましたが、良い意味で裏切られほっとしたのと同時にカランの印象がガラッと変わった出来事でした。

コエは性格的には少し内気で慎重な性格の持ち主です。私が担当になった2年前はコエ(当時6歳)よりも幼いよつば(当時3歳)がいるにも関わらず、コエが不安そうな時は母親のカズミ(メス・39歳)に抱きしめられていました。今でもカズミはコエの事を気にかけている場面が多くみられます。

写真④コエ.JPG

コエ


食べ物に薬を混ぜて投薬する時があるのですが、過去に嫌な思いをした経験があるのか、コエは疑いの目で見てきます。今その不信感を払拭させるために色々と取り組んでいるところです。当初コエは内気でおとなしい性格かなと思っていたのですが、妹のよつば(5歳)にちょっかいをかける場面をよく見かけます。
また、私に対して窓越しに拳でドンドンと叩いてくる時があります。それも勝ち気な目で(笑)。コエが気持ちを表現し始めてくれたと前向きにとらえています(笑)

写真⑤コエ.JPGコエ


そんなカラン、コエには妹のよつば(5歳)、弟のカズキ(1歳)が生まれ、彼らの姉として現在は母親の練習をしています。

カズキが生まれてから母親のカズミは付きっきりでしたが、カズキがカズミから離れるようになった頃、最初にお世話をし始めたのがカランです。背中に乗せたり、遊んだりとカズキにぞっこんでした。

写真⑥カランとカズキ.jpgカランとカズキ

コエもまたカズキのお世話をしっかりやっています。カズキに背中に乗るよう促して背負って移動する場面をよくみかけます。カズキを背負って移動する機会は母親のカズミと同じくらい多い印象です。

写真⑦コエとカズキ.JPGコエとカズキ

コエは内気と書きましたが、コエをみていると嫌なものは嫌、好きなことはとことん続けるし、たまに出る強気な部分など、内に秘めたハートはとても強い気がします。

カランとコエをみていると、同じ8歳のメスチンパンジーで、全く同じ環境で育っているのに、異なる部分がたくさんあってとても興味深いです。

カランもコエもいつか母親となった時、今の経験が活きるはずです。双子のメスチンパンジーの『カラン』『コエ』は今日も北園チンパンジー舎にいます。

写真⑧カラン.JPG

カラン

写真⑨コエ.JPGコエ


動物園 谷

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