コモド紀行(5)~コモドオオトカゲと人とのかかわり~
みなさん、新年いかがお過ごしでしょうか?
2026年最初のコモド紀行は、コモド島に住む人々とコモドオオトカゲとの深いかかわりについてお伝えします。
コモド島には、村が1つだけ存在し、1500人ほどの人々が暮らしています。村は海岸沿いに位置し、奥には草原や森が広がっていて、コモドオオトカゲが暮らしているのだそうです。
つまり、人間のすぐ近くに、コモドオオトカゲも棲んでいるのです。

村の中を歩きはじめて、まず目を引くのは、たくさんのカラフルな建物です。高床式の家が多いのは、コモドオオトカゲが入ってくるのを防ぐためだそうです。
そして、人も動物もたくさん!
ヤギやニワトリなどの家畜が放し飼いになっており、とてもにぎやかな印象でした。


村の中には学校もあり、近くを通った時には、子どもたちが「ハロー!」とあいさつしてくれました。私のような観光客の存在には、慣れているようです。
村を抜けて坂を上っていくと、海の見える草原にたどり着きました。見晴らしがよく、とっても気持ちいいな...なんて思っていたらびっくり!すぐそこにコモドオオトカゲがいました!!
眼下には、さっきまで私たちが歩いていた村が見えます。本当に、人間のすぐ近くでコモドオオトカゲも暮らしているんだなと、とても驚きました。
さらに草原を進んでいくと、今度はヤギ!のんびりと草原を歩いています。そしてなんと、近くの木陰には...コモドオオトカゲが寝そべっています...!
「ここで村人は、ヤギを放牧しているんだよ。」
レンジャーさんが教えてくれました。
この時のコモドオオトカゲは、完全におやすみモードだったので、近くのヤギを襲うような様子はありませんでしたが、「こんなところで放牧をしていたら,家畜はみんなコモドオオトカゲに食べられてしまうのではないか?」と不思議に思いました。
しかし、レンジャーさんの話に、私は衝撃を受けました。
「たしかに、家畜がコモドオオトカゲに食べられることはある。けれど、村人がそれに腹を立てることはないよ。むしろ、コモドオオトカゲの餌になる分も含めて放牧しているんだ。」
昔は、人間が獲物として狩った動物の半分を、コモドオオトカゲに捧げていたこともあったのだとか。
コモド島に暮らす人々は、コモドオオトカゲと"ともに生きている"のです。
地球上でコモド島近郊の島にしか生息していないコモドオオトカゲは、村人にとって、重要な観光収入源でもあります。
観光客を案内するレンジャーは、すべて村出身の人々であり、村の中には、木彫りのコモドオオトカゲをはじめとしたお土産を売る店がたくさんあります。
コモドオオトカゲもまた、村人の暮らしを支えているのです。
村人のコモドオオトカゲに対する姿勢はとてもおおらかで、コモドオオトカゲのことをとても大切に思っていることがうかがえます。
「コモドオオトカゲは危険な動物だけれども、怖いだけの存在ではないよ。わたしたちはコモド島でともに生きていく"兄妹"なんだ。」
レンジャーさんのこの言葉に、私はとても感動しました。こうした人々の思いがあるからこそ、人もコモドオオトカゲも、今日までこの島で、命をつないでこられたのだと思いました。
「わたしたちはコモド島でともに生きていく"兄妹"」
レンジャーさんのこの言葉の背景には、実は、コモド島の村に古くから伝わる伝説があります。
次回は、人とコモドオオトカゲの関係性の根底にある伝説について紹介します。
動物園 川島








