甘いフルーツが好きなわけではないサルたち
4月からサル舎の担当になりました。
今まで接してきたオランウータンやチンパンジーなど大型の類人猿たちは、イチゴやバナナなど甘いフルーツが大好きで、葉物野菜はまぁボチボチ食べようか、、、くらいの私達ヒトにも想像しやすい味覚の持ち主だったのですが、サル舎のサルたちは個性豊かな味覚の持ち主で、甘いリンゴで仲良くなろうとヒゲサキに渡したら、ポイっと落とされてしまったり、ワオキツネザルにあげたオレンジが朝まで残されていたり、サルたちの好みの違いに振り回されっぱなしの一カ月半でした。
その中でも個性派だったのは、アビシニアコロブスのアポロン。
葉食性のサルですが、他のサルが好きなシラカシの新芽には全く手を付けず、トウネズミモチをひたすらモリモリと食べています。
同じく他のサルたちに好評だったカキの新芽もほとんど食べず、反対の手に持っていたクズの葉っぱを引き込んで、そちらをおいしそうに食べていました。
葉っぱは葉っぱでも他のサルたちとはひと味違う葉っぱを好む??のか、これからどんな好みを見せてくれるのか楽しみです。
もう一種、個性派なのがヒゲサキのペアです。
ヒゲサキは種子を好むそうで、ヒマワリの種やピーナッツなどおいしそうに食べてくれます。
種子以外に虫も好きで、大きなミルワームをクチャクチャとおいしそうに食べます。
逆に木の葉っぱは食べたり、食べなかったり、ボチボチ程度。
ピーマンは種を好んで食べて、私たちの食べる緑色の部分は残したり、、
えっ!そこがおいしいんだ!と驚きの連続です。
こんなにも食の好みが違うアビシニアコロブスとヒゲサキですが、2種ともナスが好きだったりと意外な共通点にも驚かされます。
まだまだ個性豊かなサルたちの好みが掴めず、見向きもされない葉っぱを用してしまったり、そっぽを向かれてしまったりすることもありますが、サルたちの個性を探りながら、楽しく、健康的に暮らしてもらえたらなと思います。
※動画内に虫の映像がありますので、苦手な方はご注意ください。
動物園 武田