サル舎「木の葉献立メニュー」の改定
先日、この地方も梅雨入りしたようと気象庁から発表がありました。
この時期になると、落葉樹だけでなく新しく生え変わった常緑樹の葉も、まだやわらかくおいしそうで、サル舎で飼育しているサルたちに与える樹木の種類の選択肢が広がり、「木の葉献立メニュー」を考えることが楽しくなります。
サル舎で展示している6種のサルたちには、ほぼ毎日飼料として木の枝を与えています。基本的にはどの種のサルも木の葉を食べるのですが、ただマンドリルだけは、いちおう口にはするもののあまり好んでいないように見えました。ほかのサルたちが好んで食べる(ゴリラたちも大好きな)クワやクズを与えても触れることすらないこともあります。
ところがある日、トゲナシニセアカシアを与えてみたところ、驚いたことに好物の果物よりも先に手にし、シャクシャクと小気味よい音をたて食べているじゃありませんか。
実は以前、このトゲナシニセアカシアをワオキツネザルに与えたとき、全く食べなかったので、どのサルも食べないものと早合点しメニューから外していた経緯があったのです。
今はひとつ屋根の下で生活していても、本来は全く異なる環境で暮らしている種たちです。食性も異なっているのが当たり前と考えなければいけないのかもしれませんね。
これからはトゲナシニセアカシアも「木の葉献立メニュー」の一品に加えることにします。
動物園飼育第二係 渋谷 康