ゴリラ近況 祝キヨマサ1歳の章
ニシローランドゴリラのキヨマサ(オス)が11月1日、1歳の誕生日を迎えました。当時母親のネネが推定年齢40歳というゴリラでは前例の少ないたいへんな高齢での妊娠でしたので、まず無事に生まれてくるのか心配し、生まれた後はお乳がちゃんと出るのかとか、育児という体力の必要な激務をこなすことができるのかとか、また、いっしょに暮しているシャバーニやアイがネネの育児にマイナスな干渉をしないだろうかとか、とにかくもういろいろ気をもみましたが、ネネは10年前のアイの育児の時と全く変わることなく、この1年間しっかり世話をしてきました。本当にすばらしい母親です。
前回このブログでキヨマサがアイの背によく乗ると報告しましたが、キヨマサはアイを相手に遊ぶことが大好きになったようで、アイを見つけると急いで駆け寄り、むしゃぶりついていきます。アイはもうキヨマサを扱うコツを習得し、ときには仰向けになってキヨマサの手足を持って「たかい、たかい」をしてあげることもあります。
キヨマサの心をギュッとつかんだアイと対照的なのが父親のシャバーニで、シャバーニが近づくとキヨマサは脱兎のごとく逃げ出しネネの後ろに隠れてしまいます。大きな体といかつい顔がマイナスポイントでしょうか。そんなときは「自分、不器用ですから」とつぶやいているかもしれません。
動物園飼育第二係 澁谷 康