さようなら、ラン丸
今回は悲しいお知らせをしなければなりません。
ドールシープの「ラン丸」が10月13日の日曜日に仮獣舎内で死亡しました。獣医師による死因は循環不全(胸水心嚢水貯留)でした。
ラン丸は平成10年5月2日に東山動物園で生まれ、立派な角とその力強い立ち姿、そしてなにより日本でドールシープが見られるのは東山動物園のラン丸だけということで皆様に大変愛されてきました。
ラン丸は5月27日に飼育施設の改修のため動物園内のバックヤードへ移動しました。
暑かった今年の夏も空調の効いた施設で過ごせたため、健康状態は良好で元気もありました。
しかしながら、9月末頃より食欲が低下し始めたため、獣医師が診察したところ、歯の噛みあわせが悪く、餌を上手く食べられなくなっていたことが分かりました。
そこで10月7日に歯の矯正治療を行いましたが、その後も食欲の低下は改善しませんでした。
何とかもう一度元気な姿を取り戻してもらおうと、私たち飼育スタッフと獣医師とで懸命に治療を行ってまいりましたが、残念ながらラン丸は力尽きました。
飼育係にとって動物との死の別れほどつらいことはありません。
市民の皆様には、15年の長きにわたりラン丸を可愛がっていただき、ありがとうございました。
なお、ライオン舎横の動物慰霊碑前にてラン丸への献花台を10月27日まで設置いたします。
ひとりでも多くの方にラン丸の冥福をお祈りしていただければと思います。
動物園飼育第二係 水野 展敏