完全コンプリート
ゲームの話ではありません。新しいチンパンジー舎の話です。
今年の６月に新しい施設に引越しをし、９月にオープンした施設ですが唯一、１ヶ所だけ使用させていない所がありました。それは我々がサブパドックと呼ぶ場所です。
ここは、けがや病気などの理由で群れの中にいては十分な管理をおこなうことが難しい個体をやむをえず群れから分離するときに使用したり、施設の工事などの理由で屋外展示に出せないときに一時的に使用するためところで、以前の施設では屋外放飼場がひとつしかなかったので長期間群れから離さなければならない個体がいたり、屋外展示の工事が行われているときなどは、どうしても屋内で過ごす時間が長くなりがちでした。このサブパドックは、そんな状況でも、存分にお日様の光を浴びさせてあげたいという担当者の強い願いを実現したものです。
現在、１歳の双子カランとコエの安全な成長のため２群管理をしていますが、先日初めてサブパドックを、チャーリー・リキ群に開放しました。今まで開かないと思っていた扉が開いたためか最初は驚いていましたが、時間の経過とともにサブパドックにも慣れていきました。引越し後、初めて迎える冬です。高齢のユリ、ローリーや1歳のカランとコエは特に気遣いが求められます。他の個体にもこのサブパドックに馴れてもらい「施設の隅々まで全頭コンプリート」を目指します。
なお冬の寒さ対策などのため一部の個体がご覧になれないこともあるかと思いますが、どうぞご理解いただきチンパンジーたちを暖かく見守ってくださいますようお願いいたします。
動物園飼育第二係 近藤 裕二
