ゴリラ近況 アニーなじんできましたの章
ニシローランドゴリラのアニー（１歳）と群れのゴリラ４頭との同居を始めて、もう４カ月になろうとしています。
同居開始当初にキヨマサ（２歳）の母親のネネに攻撃されたことが原因で、自分の部屋に引きこもりがちになり、お客様の前に姿を現すことが少なくなっていたアニーですが、その後、時間の経過とともに、また徐々に群れに出入りし始め、今はもう群れの中で過ごす時間のほうが多くなっています。
夢中で追っかけ合って遊んでいるアニーとキヨマサ、そしてその２頭の子どもたちを囲むようにくつろいでいるおとなゴリラたち。
このほほえましい群れの情景は、見守っている私たちをおだやか〜な気分にしてくれます。
アニーとキヨマサを中心にくつろぐおとなたち
それまで引きこもりがちだったアニーが、また群れの中に入れるようになった要因として、まずアニー自身の群れに入りたいという強い意志があったことが一番で、それからキヨマサの存在がありました。
年齢の近いキヨマサとの楽しい接触は、アニーにとって怖くて苦手なネネとの接近を乗り越えられるくらい、強い誘惑となったようです。
また群れのリーダー、シャバーニの支えもありました。
シャバーニはいつもアニーのことを気にかけてくれているようで、アニーが引きこもるように別室にいた時は、まるで見守るかのように、すぐ近くでいつまでも座っていました。
同居後、アニーが他のゴリラから少々手荒な扱いを受けて悲鳴のような声をあげると、離れた所にいても猛烈な勢いでアニーのもとに駆けつけます。
この行動の効果は絶大で、ネネはアニーに手を出すことがなくなってきました。
アニーと戯れるシャバーニ
もっともネネにしてもアニーが憎くて攻撃したわけではなく、わが子かわいさのあまりの行動で、アニーが危険な存在でないことが判明すれば、もう気にしなくなるでしょう。
屋外に出すことや給餌方法などまだまだ課題は多くあり、ゴリラの展示もアニーに配慮しながら行っています。
お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただきますようお願いいたします。
動物園飼育第二係 澁谷 康
