なんとも言えない色合いの花!トックリキワタ(温室前館西花卉室)

2026年10月27日(火)

先日10月25日に開花しました。とても不思議な色合いですね。
 

トックリキワタ花 20261025DS.jpg

温室後館の中南米温室(現在閉館中)に植わっていた株を挿し木したもので、昨年もこの時期に咲いてくれました。ハイビスカスに似た花ですね。この派手で奇妙な色合いは、驚きの多いランの花に通じて魅力的で引き付けられます。カーマイン色の筋がなんとも言えません。

 今までは樹木が大きく花は高い位置で咲いていたため、よく観察できませんでした。この機会にじっくりと観察してくださいね。

 アオイ科に分類されているので、花の中心からのびる管(筒)状の柱が雄しべで、管(筒)の中を雌しべが通り抜けて柱頭が顔を出している形でしょう。葯に花粉はまだついていませんでした。
雄しべ筒の基部にあるもの(きっと黒色の部分)は不稔の雄しべだそうです。
トックリキワタ花アップ 20261025DS.jpg

 昨年咲いた時に受粉を試みて実がなったのですが、熟す前に落ちてしまいました。球状の果実は花と同じくらいの大きさ(直径約10㎝)で、その中の種子には綿毛があって、モフモフの綿毛を布団綿や詰め物に使うのだそうです。

 トックリキワタは、高さ30m以上になる落葉樹で、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ、ペルーに自生しています。幹は徳利の形のように膨らみがあり表面には円錐形のとげもあります。広く街路樹として利用されているとか。この花がたくさん咲いている道を歩いたら、どんな感じがするのでしょう!

 IUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト(the International Union for Conservation of Nature's Red List of Threatened Species)では、2021年にLC(Least Concern  低懸念)とされています。

トックリキワタと呼ばれていますが、スペイン語のパロボラッチョ(Palo borracho)という名前でも呼ばれているようです。 
Ceiba speciosa (A.St.-Hil., A.Juss. & Cambess.) Ravenna
異名:Chorisia speciosa A.St.-Hil.,A.Juss. & Cambess.

引用文献
朝日新聞社(1997)「朝日百科 植物の世界」7巻 7-104
IUCNレッドリストCeiba speciosa (Palo borracho) | IUCN Red List of Threatened Species
Royal Botanic Gardens,Kew 'Plant of the World Online' Ceiba speciosa (A.St.-Hil., A.Juss. & Cambess.) Ravenna | Plants of the World Online | Kew Science

植物園 大橋

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