出産を撮る小型カメラ

2026年08月20日(木)

 7月10日に、レッサーパンダの赤ちゃんが産まれましたが、出産~育仔の様子は、できるだけ過度な刺激を与えないよう、飼育担当者が肉眼で見るのではなく、監視カメラでチェックをしてきました。
これまでにも、アジアゾウやキリン、ライオンなどの大型動物の出産の際にも監視カメラを使ってきましたが、それらに使っているものは大きめの装置であり、産箱の中で出産するような小型の動物には、より小型のものでないと箱の中に仕掛けられません。
 15年ほど前になりますが、何か良いものがないかと東山の電気技師さんとともに名古屋市内にある電気店街を訪れました。立ち寄った防犯機材を扱う店舗に、直径2㎝ほどの超小型赤外線カメラが展示されていました。店の人によれば、「防犯カメラは第三者に見つかることなく、また雨や高温多湿に耐えられないといけない」とのこと。「高温多湿」それはまさしく産箱の中の環境です。
 すぐに導入し、そのカメラでしっかりと撮影できたのはメキシコウサギの出産の様子。産前に乾草を山状に盛り上げて、その中に自らの毛を抜いてベッドを作り、産まれた仔をベッドの上に移して乾草で埋めてしまい、しばらく経ってから掘り起こして授乳するという流れが確認でき、大成功でした。

メキシコウサギに使った超小型赤外線カメラ.jpg

メキシコウサギに使った超小型赤外線カメラ


 最近ではカメラの精度もどんどん進歩して、きれいではっきりとした映像が見られるようになってきました。しかしその一方で、データ容量も格段に大きくなって、その抽出にかなりの時間が必要になったり、動物の目には見えないであろう赤外線であっても、なぜか動物がカメラ目線になっていたりと、まだまだ研究と改良が必要です。

動物園長 茶谷公一

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