私たちの推し!(キキョウ、ヨウシュコバンノキ、ハス、コバノランタナ)

2026年07月20日(月)

 16日から1週間、大学生が博物館実習に来ています。イベントのお手伝いや植物の管理などを通して、植物園という博物館施設の仕事について一通り学んでいただいています。
 今年は特に、東山植物園での実習を希望された方が多く、涙をのんでの選考となりました。

 今日は実習期間の半ば、自由参加の日でしたので、集まってくださった4人の実習生に、学芸員の卵としての視点でミニブログを作成してもらいました。

 では、未来の学芸員の皆様の「推し」を見てみましょう。

〇キキョウ~数を減らす日本の風景:也有園の茶室「宗節庵」、日本庭園
 キキョウは昔から「秋の七草」のひとつとして日本人になじみ深い植物です。しかし近年では数が減り自然ではあまり見られなくなってしまいました。(準絶滅危惧Near Threatened (NT) 存続基盤が脆弱な種)
 

キキョウ①.jpg也有園の茶室「宗節庵」の横に咲く八重咲のキキョウ

 植物園では白色や紫色、八重咲のキキョウを見ることができます。


キキョウ②.jpg 日本庭園で咲くキキョウ

 キキョウは雌雄異熟(しゆういじゅく)(おしべとめしべが違う時期に成熟する)のため、おしべが花粉を出し切ったあとにめしべが開きます。このキキョウはまだめしべが熟してないので、キキョウに来たハチは花粉をたっぷり持ってほかのキキョウに移動し、そこで種を付ける手伝いをしてくれるでしょう。

 古くから生活に根差してきたキキョウを見ながら、昔の生活に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

(引用文献:
・環境省(2025)「第5次レッドリスト」01-5thredlist-vascularplant.pdf
・絶滅のおそれのある野生生物の選定・評価検討会(2020)(2025改定)「レッドリスト作成の手引」000299555.pdf



〇「まるで陸のサンゴ!? ヨウシュコバンノキ(温室前館・西花卉室)」
 この時期の私のイチオシはヨウシュコバンノキです。枝先から白、赤、緑と色が変化する様子が大変美しく、枝の赤さ、白みがかった葉などが合わさって、まるで陸のサンゴのようです。

ヨウシュコバンノキ①.jpg ヨウシュコバンノキは新しい枝や葉に葉緑素がないので,色が緑色ではありません。ここから時間をかけて次第に緑色の葉に変わっていくため、このような複雑な柄になるのだそうです。
(引用文献:植物発生進化学https://www.nibb.ac.jp/plantdic/blog/?p=209)
ヨウシュコバンノキ②.jpg
ヨウシュコバンノキが赤や白色を帯びているのは、新しい枝や葉の部分であるため,美しいこの姿は新芽の芽吹くこの時期にしか見られません。夏は緑が多く色鮮やかな植物が少ない季節。ぜひ,色鮮やかな陸のサンゴ,ヨウシュコバンノキをご覧になってはいかがでしょうか。



○不思議な花 ハス (竹林・ジャンボ灯篭横)
 みんなで資料探しにお花畑へ向かっていましたが、午前中だったのもありハスの花が咲いていました!
 ハスの花は、お昼過ぎには閉じてしまうことがよく知られていますが、どうしてかご存知ですか?
 光強度や温度の変化で開閉する植物もいますよね。
ハスの花①.jpg
 ハスの花は美しいですね。どうやって花の開閉を決めているのでしょうか?
 ハスはお昼過ぎに閉じてしまうので、温度の変化や光強度で開閉を調整していると考えるよりは、『生物時計』によってコントロールされていると考えると自然ですよね。
(引用文献:日本植物生理学会 植物Q&A みんなのひろばhttps://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=5712&key=&target=)
 皆さんはどう考えますか?
ハスの花②.jpg
 「中国産植物園林」の道(竹林線)をお花畑方面に進むとハスが見られますよ!
 ぜひ午前中にお越しくださいませ。

 林を抜けると開けた場所に出ます。海外に来たようなガーデンが見られます。「お花畑」です。色鮮やかで美しい植物がたくさん植栽されていました。
ハスの花③.jpg
 次にお話ししてくれる実習生が、そのお花畑のガーデンから紹介してくれるみたいです!



〇小ぶりの手毬状の花 コバノランタナ(お花畑)
 小ぶりで手毬状に集まって咲く花が植物園内のお花畑で咲いてました!
 これはコバノランタナですね、花が小さくてかわいいですね。

コバノランタナ①.jpg
コバノランタナは、ランタナとは別種で、ランタナに比べて花や葉が小さい特徴があります。また、ランタナは花色が変化しますが、コバノランタナは花色の変化がなく、単色です。
ランタナについても知りたい方はこちらもどうぞ→シチヘンゲ Lantana camara クマツヅラ科 Verbenaceae シチヘンゲ属 三河の植物観察

 コバノランタナは他と比べて少し変わっていて、ほふく性を持っているため地面を覆って大きくなる(グランドカバープランツの)性質を持っています。つまり横に広がって大きくなっていくということです。上に伸びていかない部分が可愛らしくて個人的に好きなんです。

コバノランタナ②.jpg

 花をよく見ると、おしべとめしべが見えないですね。しかし、ちゃんとおしべもめしべもあります!花筒部と呼ばれる、花弁が根元で癒合して筒状になった部分にあります。他の花とは少し違う部分がたくさんある花ですね。
 種まきでも増えますが、なんと挿し木でも増えるそうです!挿し木の方が簡単で成功率も高いので、家庭で育てる際には挿し木が個人的にはオススメです。

引用文献:
コバノランタナ | フラワーパークかごしま
コバノランタナ | おきなわ 緑と花のひろば

 



 博物館実習の半ばですが、就職先の魅力としての植物園の印象や感想などを実習生に聞いてみました。
 「みなさん忙しいながらも明確な目標を持ちながらお仕事をされているのを感じました。植物園も動物園もともに転換期の今、目指すべき目標は尽きることはなく、やりがいのある仕事なのだろうと思いました」、
 「明るい声色の話が事務所でよく聞こえてきます。目標ややりがいが明確なため結束力も感じられる良い職場であると感じました」、
 「現場で働いていらっしゃる皆さんもイベント運用や私たちの担当をしてくださる皆さんも、とにかく植物と市民の皆様の笑顔のために日々お仕事されていると強く感じています。植物の生態から育て方まで知識豊かで、働く姿はとてもかっこいいです。私もたくさん勉強します!」、
 「植物園でしか見ることができないような多種多様の植物と触れ合う事ができるのが個人的には楽しく、知らない植物を見たり知れたりするのもとても好奇心がそそられてとても有意義な時間を過ごせています。他ではあまり見ることのできないレア植物もあるので、そういう点も魅力であると私は感じています」

 ウーン!みんな名古屋市役所に就職してくれるといいなあ!
 学芸員資格の取得に向けて頑張って!

植物園 大橋

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