においで世界旅行!...カレーリーフ(重要文化財温室前館「香りの有用植物室」)

2026年06月29日(月)

温室前館「香りの有用植物室」で、カレーリーフの花が咲いています。
 
カレーリーフ 20260622.jpg

名前を聞くと「カレーに使うのかな?」と思ってしまいますが、それだけではないようで、インドやスリランカでは、料理全般にカレーリーフの葉を使うそうです(香辛料としては葉を利用)。
葉の香りはとても奥深く、ごま油のように香ばしく、でも重くなくさわやかです。

エキゾチックな香りですが、上品さを感じます。

我が家のドライカレーには、クミンやカルダモンをメインに入れ、様々な香辛料を加えていきますが、植物園で咲いている花を見たら、カレーリーフをメインにしてみたくなりました。

香辛料は、食品の調理のために用いる芳香性や刺激性を持った植物を指します。

しかし、それだけではなく、そのにおいを嗅ぐと一気に別世界に飛ばされるほどのインパクトを持っていると思います。バニラは夢見心地になりますし、このカレーリーフもしかりです。現地ではどのように使われて、どんな食べ物になっているのかなど、想像するのが楽しくなります。

においで世界旅行!って感じでしょうか。

実際に、においはそれにまつわる強い感情や鮮やかな記憶を呼び起こすそうです。プルースト効果といい、フランスの小説家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』という小説の中の描写(香りによって幼少時代を思い出す場面)が元になっているのだそう。

私の場合、カレーリーフによるプルースト効果はみられませんが、今の時期に香るクチナシの花のにおいではみられます。学生時代、校内の生け垣に用いられていたクチナシは、むせるような甘いにおいで存在感を放っていました。ちょうど学会シーズンで、クチナシのにおいが当時の雑用任務の記憶とその時の情緒的な感覚を呼び起こすのです。自分が研究発表をするわけでもないのに、妙に身が引き締まったり緊張したりした感情と、打ち上げでのお酒のにおいの記憶です。

嗅覚は五感の中で唯一、本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司る大脳辺縁系に直接つながっているため、より情動と関連づけしやすいそうです。
 
カレーリーフ(オオバゲッキツ) Bergera koenigii L. (Murraya koenigii(L.)Spreng.) 

ミカン科の植物らしく白い花。

清楚な感じはその香りに通じる気がします。

香りの有用植物室では、イランイランやイエライシャン、レモンマートル、ラベンダー、ローズマリーの香りも楽しめます。嗅覚を意識させる温室です。

引用文献:
農林水産省ウェブページhttps://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2108/spe1_01.html
富田雅義(2018)「においと記憶」日医ニュース 北から南から 
においと記憶 | 日医on-line
坂井信之(2025)「プルースト効果」日本食品科学工学会誌72巻12号 p495 Microsoft Word - NSKKK-D-24-00053.docx

植物園 大橋

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