ネオの病状について
2023年12月19日(火)
現在も引き続き治療に取り組んでいるスマトラオランウータンのネオの近況について報告します。
8月頃から歯のぐらつきや食欲の低下が見られ、10月23日に検査をした結果、虫歯と歯周病を確認しましたが、その時の検査結果や、その後追加で行った検査などの結果、腫瘍が疑われるところがありました。しかし、53歳と高齢のネオにとっては再び麻酔をかけて検査や治療をすることは大きな負担になります。
色々と調べ、色々な案を検討しましたが、ネオの状態に合わせたケアを行なっていく事としました。
ネオがなるべく辛くない方法を探り、穏やかな時間を過ごしてもらえるよう、努めていきます。
最近のネオは、食欲や体調に波があり、寝室で過ごす時間も多くなっています。
寝室ではお気に入りのタイヤの上でまったり過ごしたり、ブドウや柿など好きな果物をゆっくり食べたりして過ごしています。
食欲が落ちてきてしまっているので、食べるものの内容は元気な頃とはだいぶ変わってしまいましたが、おいしいものを食べて、元気な時の体重をキープしてくれていて、鎮痛薬や抗生剤などたくさんの薬も毎回嫌がることなく服薬してくれています。
ネオが体調を崩してからは、以前ネオの担当をしていた飼育員の方々も時々おいしい物を持ってお見舞いに来てくれていて、なるべく明るい雰囲気で楽しく過ごせるよう、ネオを囲んで穏やかな時間を過ごしています。
展示室に行く時間も日によってまちまちで、日によっては展示室に出ないこともありますが、展示室へ出ると、タワーの上で水遊びをしたり、ゆっくり果物などを食べながら時々来園者の方々の様子を見たりと楽しんでいる様子です。
ご覧いただけない時間が多く、ご心配をおかけしてしまっていますが、ネオのペースに合わせた給餌や展示を今後も続けていきます。
ネオが温かい気持ちに囲まれて、
ネオらしく、穏やかな時間が過ごせるよう、
飼育担当者、獣医師と一丸となって努めてまいりますので、
どうか、温かく見守っていただけると幸いです。
動物園飼育第二係 武田 梓
