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今回は療養エリアに引っ越しをした東山歴代最高齢のクレメンツの紹介をしたいと思います。

クレメンツは１１月２０日に２５歳のお誕生日を迎えるお年寄りコアラです。
コアラは平均寿命が１２歳といわれているので倍以上生きているご長寿コアラです。

療養エリアのクレメンツの部屋は木の代わりに「すのこ」が敷いてあり、歩きやすいようになっています。エサ筒は3か所でそれぞれの筒の距離は、程よく歩いてもらうため、長いところでは展示のコアラたちと同じくらい離れています。ユーカリはクレメンツが食べやすいよう顔の位置に長さを揃えています。

２４歳ともなると木にしがみつく筋力もありませんし、ゆっくりしか歩けません。ユーカリも少なくなった歯で食べているので時間がとてもかかります。

最近では歯の摩耗が特に進んできていて、食べるユーカリが限られてきました。硬いと噛みきれず、かといってやわらかすぎてもふにゃふにゃしているので噛みきれず、程よい柔らかさのものしか食べられなくなってきています。
先日、採食量ががくんと減ってしまったので、自力で食べてもらうほかに補助的に飼育員が手でユーカリを口元へ持っていき採食を促すハンドフィーディングを始めています。夜間は自分で食べてもらう時間になるため、食べやすいユーカリを厳選してあげなければなりません。
「クレメンツが食べやすい、程よい柔らかさのユーカリをもってきてほしい。」
そんな無理難題の注文にも、当園の凄腕揃いのユーカリ担当班がぴったりのものを持ってきてくれ、クレメンツの夜間の採食量もなんとか復活してきました。もちろんもっと体調が戻るまでハンドフィーディングは続けていく予定です。

クレメンツ用の枝先を厳選したユーカリ

左は他の個体のユーカリ、右はクレメンツ用

クレメンツの採食の様子をご覧ください

動物園飼育第一係　山田　知香