バックヤード紹介:ココ編
コアラ舎バックヤードの療養エリアには、メスのクレメンツ24歳とココ12歳が暮らしています。療養エリアというと狭いスペースを想像しがちですが、それぞれのスペースは展示オスのスペースとほぼ同じで、立木に横木を渡して木々を移動できるようになっています。体調管理のために空調を展示エリアより少し高めに設定しています。この療養スペースは屋外展示との間に位置しているので、屋内展示エリアから屋外展示へ出る全てのコアラは皆ここのスペースを通って出入りします。さて先日、日差しが暖かく気候の良い日に療養スペースで暮らすココを日光浴のため屋外展示に出しましたが、持ち前の活発さが発揮され、片手で掴める木を難なく登り降りして熱心に探索をしていました。バックヤードでも横木の移動だけでなく木の登り降りや地面へ自分で降りて部屋を歩いていることもあります。
療養エリアには競争相手がいないため、ゆっくりと自分のペースで沢山のユーカリを食べられるようになりました。以前お伝えしたとおりバックヤードに入る前の体重に近づきましたが、若く健康だった時期の6㎏超と比べ直近の体重測定では5㎏ちょっとと、まだまだ軽いです。毛の密度が高く外見だけではわかりづらいため、ケアの一環でいろいろな部分の肉付きもチェックしています。最近発情が来たために、いつも以上にウロウロし、せっかく増えた体重が減ってしまわないか飼育担当一同ひやひやしました。しかし、発情も来て、ユーカリも食べて体重も増加傾向にあるのは、元気になってきている証拠なので、とても嬉しくまたホッとしています。動画を撮影していた日もユーカリをたくさん食べてすやすや眠って健やかに過ごしていました。ココが少しでも快適に過ごせるように今後もいろいろと工夫していきます。
動物園飼育第一係 山田 知香