なごやの暑い夏【アカカンガルー】
この日は名古屋市の最高気温が38度を超える猛暑日になると予想された、とても暑い日でした。
掃除をしながらアカカンガルーの群れの様子を観察していると、腕を舐めて唾液で濡らしている個体が。
これは、気化熱を利用して体温の上昇を抑えるためのしぐさです。アカカンガルーの生息地はオーストラリアの広大な大地です。過酷な環境で生き抜くための動物たちの知恵が見て取れるひとコマですね。
こちらはメスの【マロコ】
飼育員:「あれ、マロコさん、おなかの袋から何かが顔を出していますよ。」
マロコのおなかの袋の中では、現在、新しい命が育っています。
よく見ると、おなか周りも唾液で濡れていますね。袋の中の温度が上がりすぎないようにして、大切な命を守っているのでしょう。
なごやの暑い夏が終わり、季節が変わる秋ごろには、袋の中から出てくる様子がご覧いただけると思います。
それまでの間は、見かけても騒がずに温かく見守っていただければ幸いです。
動物園飼育第一係 水野 要