ふわふわ
日常点検で園内を巡回し、野ばらビオトープ付近に差しかかったところ、あたり一面に霞(かすみ)がかかっていました。
霞が濃いところに近づくとふわふわと宙に浮く綿毛を確認しました。
樹林の中に入り、綿毛の発生場所を探ってみると、高木の枝にモコモコとした綿毛を発見しました。ほとんどの枝にモコモコが・・・
この高木には、「マルバヤナギ」と樹名板があります。
マルバヤナギ(学名:Salix chaenomeloides Kimura)は、ヤナギ科ヤナギ属の樹木です。日本では本州東北以南から九州までの湿地に分布する落葉高木です。雌雄別株で花期は4月から5月頃、日本に自生するヤナギ属の中では花期が遅いもので、当園では概ね5月中旬以降に綿毛が飛んでいるところが見られます。
樹林から園路に出て、周りをよく観察すると至る所に綿毛が溜まっていました。
マルバヤナギは、こうして綿毛に種子を包み、風を利用して、遠くに種子を運んで次世代を残していくのだと改めて植物の知恵に感心しました。
飛んでいる綿毛に来園者の皆さんも大変驚いてみえました。
係員が手に取って小さな種子の入った綿毛を来園者の方に説明しながらお見せすると愛おしい視線を送られていたのが、印象に残りました。
春から初夏にかけては様々な花が咲き誇るなど、植物たちが様々なイリュージョンを見せてくれます。ご来園いただければ、きっと植物たちが皆さまに何かしら語りかけてくると思います。
皆さまのご来園を心よりお待ちしております。
○お知らせ○
植物園では見ごろの植物の情報を花マップで提供しています。
ご来園の際はぜひご利用ください。
植物園緑地造園係 石川 和之