お花ありがとうございました。
ツシマヤマネコの「さんちゃん」が亡くなってから1ヶ月が経ちました。
献花台の設置がないにも関わらず、多くの方から献花、写真、お手紙をいただきまして、お礼申し上げます。
さんちゃんは当園の初代展示個体「ひなた」の息子で、母親にとてもよく似た愛らしい顔と表情で多くの来園者の皆様の心を鷲掴みにしておりました。さんちゃんを入口にツシマヤマネコに興味を持っていただけた方のお話を聞くと、普及啓発個体としての役割を十分に果たしてくれたものと嬉しく思います。
また、前飼育園のよこはま動物園ズーラシアではツシマヤマネコの栄養の研究に大きく貢献してくれており、可愛いだけじゃない大きな存在でした。
悔やむべきは子孫を残せなかったことです。さんちゃんに限らず当園ではツシマヤマネコの繁殖には成功しておらず、ツシマヤマネコの域外保全全体としても順風満帆とは言えない状況にあります。さんちゃんの様な展示個体をとおしてツシマヤマネコの存在と現状を普及啓発し、域内保全のリスクヘッジとして繁殖、維持、再導入をするのが域外保全を担当する当園の役割です。ただただ力不足を痛感しております。
【在りし日のかっこいいさんちゃん】
最後に皆さまへお願いです。当園では、この度献花に対するルールを定めさせていただきました。
献花台を設ける場合を除いて、獣舎での直接の献花等の受け取りをお断りさせていただきます。今後は「各門および動物会館」での受け取りとなります。いただいた献花等は、受け取り後に飼育担当者へ引き渡されます。来園者の皆様の安全のためにも、ご理解の程よろしくお願いいたします。
動物園飼育第一係 加藤俊紀