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オフィシャルブログ

サスカッチ、今までありがとう

2020年05月07日(木)

ホッキョクグマのサスカッチ(オス)が30歳で亡くなりました。
今年1月から急激に体調が悪くなり、この頃から屋内のみでの生活となり観覧も中止としました。
多くの方から愛されたサスカッチ。
今まで話してこなかった、その後のサスカッチの頑張りについて書きたいと思います。

当初、食欲不振・動作が悪くなるなどの症状が現れ、大事を取り屋内での生活を送っていました。
その後、陰部からの出血もあり痛みもある様子。
肥大していた陰嚢(いんのう)を摘出手術し精巣腫瘍であることを確認しました。
また、検査により基礎疾患もいくつか認められました。

大手術でしたが、獣医師により無事終了しました。
サスカッチは偏食になりましたが食事量も回復してきました。我々も彼が「今日はどんな嗜好なのか?」日々、様々な食事を提供して食べる姿を見て、さらなる回復を期待しました。

術後、少しずつ動作も増えてきました。
しかし、3月に入ると食欲にもムラが出はじめ、毎日の中で体調の変化がみられるようになってきました。
3月末。少しでも回復に向けての刺激になればと一時的にガラス越しの展示を再開しましたが、やはり高齢であることや疾患があることなどにより、体力の低下も見えてきたので再び観覧中止としました。

サスカッチの体調を心配くださる方々には姿をお見せできず申し訳なく思いましたが、担当者・獣医はじめスタッフ一同、彼の回復を信じ、治療とケアに集中するための判断でした。

その後、新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時閉園。
皆様に心配な気持ちを残したままとなってしまいました。

4月中旬頃には終日寝ていることが多くなり、日に日に食欲も減少してきました。

5月6日 朝。サスカッチは本当に眠っているかのように亡くなっていました。

今回、サスカッチの闘病を通し多くのことを学びなおしました。
歩き回ることすら辛かったはずなのに彼は諦めることなく頑張っていました。
水を飲み、少しずつでも食事を口にし我々が様子を見に行くと顔を持ち上げ挨拶してくれる...。
時には無理してでも立ち上がってくれる。

我々、飼育員は食事を提供し、声をかけ様子を見てあげることしかできない歯がゆさがあります。
足を運べば起きようとするサスカッチ。静かに寝かせてあげようと入室を遠慮する時さえありました。

亡くなったサスカッチに会った時、お疲れ様の気持ちと共に命をあきらめなかった彼のすごさを感じました。
最後の最後まで懸命に生きていました。
 

IMG_6971.jpg

この文章と共に載せましたサスカッチの画像は、応援してくださった全ての人に現状をお伝えしようと5月1日に撮影したものです。
これが、我々が彼を撮影した最後の写真になってしまいました。
白かった被毛は茶色く変色し、丸かった顔も肉が落ち細くなってしまいました。
しかし、彼はこの段階でも懸命に生きていました。

彼を大好きでいてくださった方々、本当にありがとうございました。

最後になりますが、サスカッチ!!ありがとう!!
IMG_7906.JPG

動物園飼育第1係1班 野村 勇治
           渡邉 友治
           君島 久恵
           原  真実

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